労働問題とは、雇用関係にある使用者(経営者)と労働者(従業員)との間に生じる雇用・労働契約上のトラブルをいいます。

代表的な労働紛争類型としては、以下の4つの類型がありますが、それ以外にも、パートタイム労働者の雇い止めの問題、退職強要、労災その他の紛争があり、その内容はいずれも専門的なものです。

当事務所では、労働問題でお困りの際、雇用者側、従業員側の双方に対し、法律相談、労働審判、訴訟等の法的解決まで、様々な法的サービスを提供しております。労働問題でお悩みの方は、まずは法律相談をご利用ください。

■初回法律相談料 無料(60分)

当事務所では、初回の法律相談を60分無料で行なっておりますので、お気軽にご相談ください。2度目の継続相談からは、60分5000円(消費税別)の継続相談料が発生します。

また、法テラス(日本司法支援センター)の相談登録弁護士ですので、一定の収入基準以下で、弁護士費用の支払が困難な方は、法テラスの持込事件として、弁護士費用の立替払制度を利用することも可能ですので、ご相談ください。

労働問題の類型

1. 解雇・リストラ

使用者が、その一方的意思表示で労働契約を解消する解雇には、労働者の勤務不良等を理由とする普通解雇や横領等重大な違反に対する罰としての懲戒解雇があります。

使用者が解雇通告を行ったとしても、労働基準法や就業規則の定めに違反していた場合や、「客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には、権利を濫用した不当な解雇として、法律上、無効になります。

また、会社側の経営上の必要性によって行われる、いわゆるリストラ(整理解雇)に関しては、判例上、厳格な要件が要求されており、要件を満たさない場合、やはり無効となります。

2. 残業代等未払賃金

給与等の労働条件は、使用者と労働者の合意によって決まっており、就業規則の合理的な変更等の場合を除き、労働者の個別の同意を得ない限り、不利益に変更できないのが原則です。したがって、使用者が一方的な賃金カットを行っても、減額された給与は未払賃金として、請求することが可能です。

また、いわゆるサービス残業が問題となっていますが、1日8時間、1週40時間を超えて働いた場合には、残業代として、一定の割増賃金(時間外1.25倍、休日1.35倍)を請求することが可能になります。なお、時間外労働が1ヶ月60時間を超えた場合は、1.50倍の割増賃金が発生します(大企業の場合、中小企業は2023年まで猶予)。

このような、賃金請求権の時効は、2年間に限られており(退職金請求権は5年)、速やかな権利行使が望まれます。

3. 配転・出向

従業員の職務内容や勤務地等が変更されることになる配転や出向等の人事異動については、使用者である会社に、広い裁量権が認められています。

但し、配転や出向も無条件に認められるわけではなく、①労働契約上の根拠が存在すること、②職種や勤務地限定の労働契約でないこと、③法律や就業規則に違反しないこと、④権利濫用でないこと等の要件が要求されており、かかる要件を満たさない配転・出向命令は、無効となります。なお、会社に籍が残ったまま出向する在籍出向と違って、別会社に完全に移転してしまう転籍の場合には、労働者の個別の同意が必要です。

4. セクハラ・パワハラ

セクハラ(セクシュアルハラスメント)とは、男女を問わず、相手を不快にさせる性的な言動(言葉・行動)をいいます。セクハラに対する被害者の対応により、労働条件等につき不利益を受ける対価型のセクハラと、不快な性的言動によって、就業環境が害される環境型のセクハラがあります。

セクハラの程度によっては、加害者の行為が、強制ワイセツ等の刑事上の処罰の対象になる場合もありますし、人格権侵害に基づく不法行為責任を発生させる場合もあります。また、会社も使用者としての法的責任を問われることになります。

パワハラ(パワーハラスメント)とは、上司が職場における力関係を利用して、部下の人格や尊厳を侵害するような行為を繰り返し、精神的な苦痛を与えるもので、性的言動であるセクハラを除いたものです。

一般に、職場における上司の部下に対する注意等は、業務上の必要性があれば正当な行為とされますが、上司の言動が、適切な業務の範囲を逸脱した「人格権侵害」に達していると評価できるような場合には、不法行為に基づく損害賠償請求が可能になります。

5. その他の労働問題

上記以外に、一方的な降格や賃金引下げ、懲戒処分、休職や退職、パートタイム労働等の非正規雇用、マタニティ・ハラスメント等の様々な労働問題があり、これらについても、法的なアドバイスや交渉、訴訟等による紛争解決が可能です。

弁護士による解決方法

弁護士が受任した場合の解決方法としては、代理人弁護士による訴訟前の交渉、裁判所の労働審判訴訟の提起の3つの方法があり、事件の性質、相手方の対応、解決までにかかる時間等も考慮し、最も適切な手段を選択することになります。

いすれの方法を取る場合でも、まずは、弁護士事務所に、ご来所いただき、法律相談を受けていただくことから始まります。

(1)訴訟前の交渉

訴訟前の交渉により事件を解決します。まずは、弁護士が内容証明郵便による通知書で、法的見解を示し、相手方と交渉することで、紛争が解決するケースも少なくありません。

(2)労働審判

裁判官1名の他、労働者側・使用者側それぞれ1名の審判員が審理に加わって、原則として、3回以内の期日で、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決(和解ないし審判)を目指す制度です。
訴訟より速やかに問題解決が図れる反面、事実関係に大きな争いがあって、話し合いが困難な事案等には、適さないといえます。

(3)訴訟

訴訟とは、一般的にいう裁判のことをいい、例えば、解雇された場合の従業員としての地位確認の訴えや、残業代を請求する場合の未払賃金請求の訴えなどがあります。労働審判より解決に時間を要することになりますが、証人尋問等の厳格な証拠調べが行われ、最終的には、裁判所が判決という形で、事実認定を行うことになります。
解雇無効事件を争う際に、長期にわたって、無給の状態が続くため、訴訟と並行して、給与の仮払仮処分の申立を一緒に行うケースもあります。

弁護士費用

弁護士費用は、事件を着手するに際して、お支払いいただく着手金と、事件の結果得られた利益についてお支払いいただく報酬金からなります。弁護士費用以外に、労働審判や訴訟の場合には、裁判所に納める印紙・郵券等の実費を、ご負担いただくごとになります。

①解雇無効事件、配転・出向無効事件の費用

◎着手金
交渉事件 200,000円(消費税別)
労働審判 250,000円(消費税別)
訴訟事件 300,000円(消費税別)~400,000円(消費税別)

交渉事件・労働審判の着手金は定額制です。交渉から労働審判や訴訟、労働審判から訴訟に移行する場合には、差額をご負担いただくことになります。
なお、訴訟事件の着手金は、求める経済的利益及び事件の複雑さにより、上記の幅があり、ご相談の上、決めさせていただくことになります。

◎報酬金
報酬金 300,000円(消費税別)~400,000円(消費税別)

交渉事件・労働審判の報酬金は定額で、300,000円(消費税別)です。訴訟事件の報酬金は、事件の複雑さ、解決に至る困難さ等により、上記の幅があり、ご相談の上、決めさせていただくことになります。
但し、解雇や配点の無効等に伴い、損害賠償等の金銭的な給付が発生する場合、上記定額の報酬金に加えて、得られた財産給付の経済的利益を基準として、以下の規定による報酬が加算されます。

経済的利益の額が300万円以下の場合 16%(消費税別)
経済的利益の額が300万円を超え3000万円以下の場合 10%+18万円(消費税別)

②給与仮払い仮処分の申立の費用

着手金 150,000円(消費税別)
報酬金 仮処分の報酬金は別途発生せず、本訴の報酬金に含まれます。

③残業代、退職金等の未払賃金の請求費用

◎経済的利益の額が300万円以下の場合
着手金 8%+消費税
報酬金 16%+消費税
◎経済的利益の額が300万円を超え3000万円以下の場合
着手金 5%+9万円+消費税
報酬金 10%+18万円+消費税
◎経済的利益の額が3000万円を超え3億円以下の場合
着手金 3%+69万円+消費税
報酬金 6%+138万円+消費税

交渉事件の場合には、着手金を3分の2の金額まで減額いたします。交渉事件から訴訟事件に移行する場合には、差額の着手金が発生します。
交渉事件の最低の着手金額は、100,000円(消費税別)、労働審判・訴訟事件の最低の着手金額は、200,000円(消費税別)となります。

④セクハラ・パワハラその他の損害賠償、労災請求の費用

残業代、退職金等の未払賃金の請求の費用に準じます。